食への追求をやめないヴィーガンスイーツ専門店

住宅街の中に静かに佇んでいるシックな建物『アマムエクル』。

「いらっしゃいませ」。

扉を開けると明るい声が響き渡る。

笑顔で出迎えてくれたのは、オーナーの岩本 大介(いわもと だいすけ)さんだ。

『アマムエクル』は、植物性のみの材料でつくりあげたヴィーガンスイーツ専門店。ヴィーガンとは、肉や卵、乳製品、その他の動物性製品を購入したり食べたりしない「完全菜食主義」の人たちのこと。

岩本さんは、アレルギーのある子どもにも安心して食べられるお菓子を届けたいという気持ちも込めて販売をしている。店名の由来は、「アマム=穀物」「エ=食べる」「クル=人」とアイヌ語を組み合わせた造語だ。できる限り北海道産を中心に厳選した食材を使用しており、小さな子どもからご年配の方まで安心して食べられるのが特徴だ。

岩本さんがお菓子作りにハマったのは、奥様がきっかけだった。

「妻がお菓子を作っていたけど、レシピ通りに作らずに目分量でアレンジするんですよ。だから毎回味も見た目も違う。デジタルの計りをプレゼントしても、使う気配もなくて…(笑)。その様子を見ているうちに、僕もお菓子を作ってみようかなと。上手にできて楽しかったので、お菓子作りにハマっていきましたね」。

独学でお菓子作りを勉強し始めた岩本さん。

子どもがアレルギーを発症したことから、さらに食への関心が深まり、お菓子を作るならアレルギーの子どもも安心して食べられるものにしようと考えた。

「当時は、ヴィーガンという言葉があまり普及していなかったので、レシピ本なども少なく勉強するのが難しかった。なので試作をひたすら繰り返していましたね」。

本で調べたり、気になるお店のお菓子を食べて研究したりと試行錯誤を重ねて1年。動物性の食材を使わないヴィーガンスイーツが完成した。それが今から十数年前の出来事だ。

お菓子を作る際にこだわっているポイントは、なるべく手間隙をかけること。

安心安全な食材を選び、美味しさと体に優しいものを追求して作る。ひとつひとつのお菓子と向き合って、丁寧に作ることを心がけている。

販売は通販からスタートした。

当初は、ヴィーガンスイーツというのも認知度が低く、売れ行きもあまり伸びなかったという。「この仕事を始めて、失敗してしまったかなと不安になることもあったけど、お菓子を作ることをやめなかった。一人、また一人へと口コミで広めていただき、徐々に売り上げが伸びていきました」。

2016年に音更町に店舗をオープン。

使われなくなったJRコンテナを3つ繋げて、リノベーションして制作した。

自分たちで作りあげた棚には、丁寧にラッピングされたお菓子たちがセンスよく並べられている。

クッキーやスコーン、マフィンなど季節限定の商品も含めると40種類以上。

オススメのメニューは、「KUZUKO~くず粉のクッキー~(プレーン/ココア/抹茶/紫芋/南瓜/ほうじ茶)税込¥378」。九州産の本葛粉を使用しており、ほろっとほどける葛の食感が特徴。素朴な味わいが口の中に広がり、優しい気持ちになれるクッキーだ。もちろん、珈琲のお供にもぴったり。ギフトボックスもあるので、お世話になっている人への贈り物にもイチオシだ。

国家公務員からパティシエになった経歴を持つ岩本さん。

異職種へ飛び込む不安にも前向きに向き合ってきた、岩本さんの失敗への価値観を教えてくれた。

「人生は基本失敗だらけ。なので、失敗を恐れてはいけないと思っています。失敗と反省を繰り返して少しずつ成長していく。失敗しても挫けずに、諦めない気持ちと好奇心を持ち続けていくことが大切だと思っています」。

私たちはいつも失敗を恐れてなかなか前に進めない。

だけど、失敗をただの失敗と捉え挫折してしまうか、成長への餌と捉えるかで未来も変わる。

失敗もいつかは笑い話になる。そう信じて、どんな時でも明るく前向きに生きていたいな、と思う。

取材・文/高山 茉実

撮影/大津 彩香


アマムエクル

住所:音更町木野西通19–23

☎︎:070–1584–9719

営業時間:9:00~18:00(土日祝17:00)※11月~3月は9:00~17:00

定休日:不定休

公式HP:http://www.amamuekle.jp/

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